ザツジルシ

あることないこと書きます。

映画『百円の恋』リアル〜〜な映画

映画『百円の恋』

ジャケットの感じ的にあんまり観る気がしない映画だったけど、Amazonでの評価が異様に高くてちと観てみるかってなった映画。

結果、観てよかった。面白い。

一応具体的なネタバレはしませんが、事前情報無しで観たいって人は読む前に観た方がいいです。そして、この映画はそうした方がいいと思います。

僕自身もこの映画は、「誰が出るのか」とか「どんなストーリーなのか」といった情報一切なしで観ました。入ってる情報は、百円の恋って題名とあのジャケットのみ。

映画が始まると、主人公の女の人(一子)の生活の描写がしばらく続きます。「題名が百円の恋だから、この人のラブストーリー見なきゃいけないのかあー。つらいなあー。」というのが僕の最初の感想でした。

主人公を演じた安藤サクラ。僕のタイプではないってのもありますけど、役作りが素晴らしくてこの冒頭のシーンではなお一層魅力がない。

本当にその辺にいそうなさえないブサイクな女性を見事に演じきっている。画面越しに生活臭が漂ってきそうなくらい、生々しい演技でした。

ただ、観ていくうちにそんな主人公にも愛着が湧いてくる。妙に可愛らしいというか、人間らしいというか。この人がこれからどうなっていくんだろうってのが気になって、つい観続けてしまう。

題名から考えるとこの映画は恋愛が主軸のテーマなのだろうけど、僕的にはそうは感じなかった。一子という女性が一人暮らしを機にどう変わっていくかを描いた映画。その中にたまたま恋愛の要素も入っているというだけ。

どちらかというと、ボクシングにまつわるエピソードの方が僕的には印象深かった。一子が途中からボクシングを始めるんですが、その描き方がまたドキュメントを観ているかの様にリアルだった。というか、ドキュメントだった。

初めはジャブを打つフォームからも運動神経が悪いことが分かる一子だが、どんどんキレてくる。「主人公が練習を重ねて次第に上手くなっていく」という描写はよくあるが、この映画では僕は少し泣きそうになった。というのも本物だから。

徐々に身のこなしがボクサーのものになっていくんですけど、これは演技とか撮り方で騙したりとかでは描けない映像でした。本当に安藤サクラがボクシングを練習した。しかもおそらく相当な練習量を。そうでないとここまでの動きにはならないと思います。それが嫌が応にも伝わってくるので、ドキュメント映像を観ているような感覚になっていくのです。

試合のシーンもよかった。本番では練習通りにいかない感じ、それが悔しい感じ、今まで一生懸命練習やってきてある程度あった自信を打ち砕かれる感じ。そんなのが伝わってきて、、、ごめんもっかい言わせてリアルだったあーーー。ボキャブラリー貧困でごめんよリアルでだったあーー。

初めはこんな暗い映画ちょっと観るのやめよかなと思うくらいどうしようもない生活をしていた主人公だけど、いいエンドでした。